東日本大震災から10年:発起人代表より

東日本大震災から今日で10年となります。まずは改めて、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

東北風土マラソン&フェスティバルの1回目の開催は2014年でしたが、その企画・準備は2011年から始まっていました。その意味では、私たちの取り組みもちょうど10年を迎えたことになります。これまで大会にご参加いただいたランナーの皆さま、支えていただいたボランティアの皆さま、応援していただいた登米市近隣の皆さま、開催にご理解、ご協力をいただいてきた協賛各社の皆さま、協力後援企業・団体の皆さま、そして共催団体として共に大会を創ってきた登米市、南三陸町の皆さま一人一人に、心から御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

「マラソンを通して東北と世界をつなげる」

このミッションと共に、東北風土マラソン&フェスティバルは生まれ、そして続いてまいりました。東北の方々はもちろん、東北の外からも東北に想いを寄せるたくさんの方々と共に歩んできた10年間でした。最終的には、震災があったから、被災地だから、ではなく、楽しいから、魅力があるから東北に足を運ぶ、そんな人たちが1人でも増えたら良いな、日本中世界中から集まってくれたら素敵だな、そんな思いが、私たちのミッションには込められています。

この機会に少しだけ歩みを振り返ります。

この10年間、6回の東北風土マラソン&フェスティバルを通して、28,000人のランナーにご参加いただき、のべ22万人の方々のご来場や応援をいただき、東北6県25市町村40以上の生産者/事業者の皆さんにエンドステーションで美味しい食をご提供いただきました。

10年のうちにフランスメドックマラソンに7回、香港ストリートソンに1回出展し、東北の食と日本酒を海外にも発信し、25か国から700人の外国人ランナーの皆さんに東北に足を運んでいただきました。

何よりこの成果は、のべ5,000人のボランティアの皆さんのサポートと、150社以上、合計1億3,000万円を超える協賛金と寄付金、それとほぼ同額のランナー参加費、そしてアンバサダーや地元の皆さんの応援と盛り上げによって支えられてきています。

このたくさんのご縁と出会いに、心からの感謝の気持ちでいっぱいです。重ね重ね、ありがとうございます。

「これからの10年」を問われる時、正直今の私たちにその明確な答えはありません。ただ、「マラソンを通して東北と世界をつなげる」の実現がまだまだ先にあることは確かですし、これまでたくさんの方々のお陰で楽しく続けてこられたように、これからも楽しく走り続けたいなという気持ちは強く持っています。

2021大会は、全てオンラインで開催します。リアルが開催できないから仕方なくオンライン、ではなく、オンラインだからこそできることを追求して、これまでと変わらずに「マラソンを通して東北と世界をつなげる」を目指して行きたいと思っています。もしかすると、「これからの10年」の一つのヒントにもなるかもしれない、そんな風にも期待しています。

10年前に東日本大震災があり、この1年でコロナ感染症の拡大を経験し、またこれからの10年にも様々な困難が待ち受けていることは覚悟すべきなのだと思います。ただ、いかなる困難の中においても、東北の美しい「風土」と美味しい「FOOD」は変わらぬ固有の価値であり、困難に打ち勝つ大きな力であり続けるのだと信じています。いかなる開催形態であれ、東北風土マラソン&フェスティバルはその「風土」と「FOOD」の魅力を確認、発信する「場」であり続けたい、そのためにこれからも走り続けて行きます。

2021年3月11日

東北風土マラソン&フェスティバル
発起人代表  
竹川 隆司

2021年3月11日