「東北風土マラソン」がフランス「メドックマラソン」に日本から唯一出展

東北風土マラソン&フェスティバル2015実行委員会(事務局:登米市観光物産協会)では、フランス・ボルドーで開催された世界最大規模のファンラン大会「メドックマラソン」第30回記念大会に参加し、実行委員会メンバーの出走、EXPOへのブース出展などを行いました。
メドックマラソンへのブース出展は昨年に続き2度目。日本からは唯一の出展でもあります。メドックマラソンにおいても、東北の特産品である日本酒の試飲と、復興の現状を伝えるペーパーの配布、および、大会チラシ配布を行いました。
フランスにおける日本食、日本酒ブームの追い風もあり、用意した日本酒500杯、配布物1,000枚が5時間でなくなる盛況ぶりでした。帰国後も、世界各国のランナー、メディア関係者などから問い合わせが続いており、早くも反応が表れています。
EXPO(9/12)と、実行委員が参加したマラソン大会(9/13)、ウォーキングツアー(9/14)の様子をご報告いたします。

 

メドックマラソンとは

●開催地はワインの名産地・フランス・ボルドーのメドック地区
●毎年、ぶどうの収穫直前の9月に開催されるフルマラソン大会
●コースはぶどう畑とシャトー(ワイン醸造所)を巡る42.195km
●給水所ではワインが飲み放題!
●給水所には生牡蠣、ビーフステーキ、チーズなどワインに合う食材も!
●毎年異なる仮装テーマに基づき、ランナーは衣装を身に着け出走
●記念すべき第30回記念大会の仮装のテーマは「世界の国と祭り」
●参加ランナーは約1万人、ボランティアは地域住民を中心に3,000人
●同伴者も合わせると世界中から約3万人が訪れる一大観光イベント
●ランナー、同伴者、住民、皆で楽しめる世界最大規模のお祭りマラソン

メドックマラソンの公式サイトはこちら。http://www.marathondumedoc.com/
01_DSC01503 02_DSC_4084

 

9/12(金)EXPOレポート

当大会ブースは、EXPO会場のゼッケン受取り場所を出てすぐ、絶好の位置に出展。周囲には「モンサンミッシェルマラソン」「ローザンヌマラソン」など、フランスおよび海外のマラソン大会のブースが並んでいる。日本からの出展は当大会が唯一であった。
EXPOは10時にスタート。ブースを訪れたランナーの居住地はフランスを中心にドイツ、スペイン、スコットランド等ヨーロッパ各国が多く、中国、台湾、香港等のアジアからの参加者も。また、メドックマラソンには日本人ランナーも毎年約500名が参加しており、日本語を聞きつけて立ち寄ってくれる方も多かった。
フランスでは健康志向の高まりとともに日本食が注目を浴びていることから「SAKE」の認知度は高く、持参した日本酒は「飲んでみたい」とたいへん好意的に受け入れられた。ブースを飾った浮世絵柄の手拭いや、女性、子どもにプレゼントした折り紙も大好評であった。特に折り紙は「素晴らしい!」「学校で折り方を習うのか?」など興味津々の様子。
04_DSC00898
ブースに立ち寄ってくれたランナーには、大会告知チラシとともに、復興の現状を伝える「東北復興新聞フランス語版」を配布した。日本を襲った大震災のその後と復興に取り組む東北の現在について、フランスでは多くは報道されていないようで、食い入るように読む人の姿も見られた。
15時過ぎには用意した日本酒500杯と大会告知チラシ、東北復興新聞各1,000部が全てなくなり、想定外に早い時間にブースを終了することになった。
第2回大会の開催時期やエントリー受付について各国のランナーから多数の質問を受けたほか、後日事務局にフランスからの問い合わせのメールが複数届くなど、早くも反応が表れている。
05_DSC_3760

 

9/13(土)マラソン大会 レポート

9時30分、1万人のランナーがスタートを切った。今年は30回記念大会ということで、大量の花火が打ち上げられ沿道ではサンバのダンサーが踊る、にぎやかな雰囲気の中で大会は始まった。
主催者から発表された今年のテーマ「世界の国と祭り」に沿って仮装をしたランナーが、楽しそうに走っていく。仮装の域を超え、山車のようなものを数十人で曳いているグループもいて、「レース」というよりは「祭り」と言った方が近い雰囲気だ。
06_DSC01327 07_DSC_3858
当大会発起人会代表(東北風土マラソン&フェスティバル2015実行委員会副委員長)の竹川もエントリー。ピンクの法被姿で大会をアピールしながらフルマラソンを走った。快晴の天気の下、それぞれに趣向を凝らした衣装を身に着けたランナーたちが、広大なぶどう畑の間を縫うように駆けていく。
08_DSC_4028
コース上に設置されているエイドステーションでは、メドック特産のワインが提供される。というよりも、ぶどう畑の中に点在するシャトーがそのままエイドステーションになっているのだ。地元シャトー自慢のワインを走りながら飲み比べることができ、しかも飲み放題というわけである。各シャトーにはバンドがいて、音楽でランナーをもてなしてくれる。
沿道の住宅の前では家主が外に出て応援したり、子どもたちが水を差しだしてくれる。こうした地元住民とのふれあいも、ご当地マラソンの魅力の一つだろう。
09_IMG_1527
コースの後半になると、ワインだけでなく食事も充実する。牡蠣の名産地・ボルドー地方のアルカション湾産の生牡蠣や赤ワインにピッタリのビーフステーキなどが提供されるのだ。各エイドステーションでは、ボランティアが食材を準備し、提供してくれる。
ゴール前、最後のエイドではアイスクリームが出される。ここでは大音量で音楽がかかり、ランナーは足を止めて踊ったり、応援に来た家族や友人と語らったりしている。多くのランナーが記録を目指すのではなく、メドックマラソンに参加すること自体を心から楽しんでいる様子が伝わってくる。

17,000個が用意されたという生牡蠣

17,000個が用意されたという生牡蠣


ゴールでは、同伴者や地元住民が鈴なりになって応援している。メドックマラソンの制限時間は6時間30分。前半はペースを維持して走り、完走が見えてきて、かつエイドが充実する35km過ぎあたりからはワインや食事をゆっくり味わうランナーが多いようだ。そしてなんと、ランナーの半分以上が、最後の30分間でゴールする。発起人会代表の竹川もワインやグルメを堪能して6時間4分30秒、4461位でゴールし、完走賞のワインを手にした。
記念すべき第30回メドックマラソンの優勝者はフランス人のThierry Guibaultさんで、タイムは2時間28分41秒。Guibaultさんは大会4連覇。優勝賞品として、体重と同じ量のワインが贈呈された。

マラソンのゴール地点周辺には露店が出され、オリーブやソーセージ、マカロン、そしてボルドー発祥の菓子カヌレなどご当地グルメが並ぶ。マラソンを走らなくても、仮装したランナーたちを応援し、露店のグルメを味わうだけでも十分に楽しめそうだ。
メドックマラソンは、マラソン大会を核にボルドーならではの食とワインを取りそろえた、ランナーはもちろん、ランナーでなくても楽しい、まさに地域をあげての一大イベントなのだ。
11_DSC_3940 12_DSC_3948

 

9/14(日)ウォーキングツアー レポート

大会翌日の午前中には、シャトーを巡るウォーキングツアーが開催された。
マラソンと比べると参加者の年齢層は少し高いようだ。10kmほどのコースを歩いて巡るツアーなので、フルマラソンを走れない人でも参加することが可能。ランナーも、マラソンのコースとはまた別のシャトーを訪れることができる。非ランナーを含む当大会の実行委員も参加した。歩くだけと侮ることなかれ、毎年4,000人もの参加者が集まる人気イベントなのである。
13_DSC_4139
今年のツアーは、近年急激に品質が向上したと評判のシャトー、Château d'Issanをスタート、ゴール地点とし、収穫を目前に控えたマルゴー地区のぶどう畑の中を歩いた。中には、内部を見学させてくれるシャトーもあり、バンド演奏のもてなしもある。
14_DSC_4163
たっぷり3時間ほど歩き、様々なワインを堪能した後はランチパーティーが開催された。当大会実行委員は、世界各地から招待されたマラソン大会主催者と交流を図った。
また、メドックマラソンの大会実行委員長Vincent Fabre氏と懇談を行い、2015年も当大会とのタイアップを継続することが確認された。

2014年10月17日